2023年5月25日
ずいぶん前の気密のお話の続きです。
① 性能の良い断熱材 を
② なるべく厚く 使う
ことにより
断熱性能の高い建物 = 熱の出入りが小さい建物 = 快適な建物
になることを、UAという値をもとにお話ししました。
ですが、これは建物が快適な温度環境を獲得し、日々の生活の中で不快な暑さや寒さが軽減され、冷暖房機器の稼働率を抑えた燃費の良い家になるための十分な条件ではありません。
ダウンジャケットの例にもどれば、ジッパーを閉めて体から発せられる熱を閉じ込めてこそ、その保温性の高さが発揮されるのと同様に、建物の断熱性能においても気密というジッパーをしっかり閉めなければ、コストをかけてよい断熱材をふんだんに使っても効果はないということです。
では気密とは何でしょう。
端的に言えば隙間の無い状態、屋内の熱が漏れ出さず、屋外の空気が流入する隙間が無い状態です。
常態において風雨にさらされず、外気に対して人が生活を営むのに支障の無い程度の温熱環境を保持できる現代の住宅において、そもそも『隙間』があるのかと思われるかもしれませんが、建築には多くの隙間が存在します。
大きく分ければ
① 物として必然的に存在する隙間
② 工事過程においてやむを得ず発生してしまう隙間
があると考えられますが、これらの隙間を無くし、あったとしても、この隙間からの熱の出入りを極力小さくすることが建物の熱的性能上とても重要と考えられます。
次の機会では、家の隙間の事例と、隙間を無くすいえづくりの工夫を紹介しながら、気密の重要性と『気密を秘密にはしない = 気密性能をお客様に公開する 』トピアのいえづくりについてお話ができればと考えています。
設計部 大橋