2015年8月03日
4月から山口市内のアパートに引越し、初めての夏をむかえました。
美祢の田舎家であれば、網戸一つで暑い夏の夜も過ごすことができます…
が、市内のアパートとなるとそうもいきませんし、かといって不用意にエアコンばかりに頼ってしまうと電気代がかさんでしまいます。
軽量鉄骨2階建の中部屋、部屋は2階とはいえ昼間不在の時間帯に窓を開けっ放しでおくのも防犯上難があるため窓は閉めて出勤します。このため帰宅時には、昼間受けた熱が建物に蓄熱され、室温はかなり高くなっています。
そんなわけで、我が家ではなるべくエアコンを使わずに室温を下げるために、
① サーキュレーター
扇風機ではなく、室内空気をかき混ぜる、あるいは勢いよく空気を流すための機械
② レンジフード
台所に設置された排気専用の機械
③ 川風
を利用しています。
まず川に面した北側の窓と、廊下と居間をはさんで南側に位置する二つ窓を開けます。
北側からの川風が吹くため、川に面した窓からは緩やかに涼しい風が入り始めますが、南側は窓を開けただけでは夜風は入ってきません。
そこで南側の窓前のサーキュレーターを始動。冷たい夜風が少しずつ流れ込んできますが、吸い込むばかりでは室内に風の流れは生まれません。
最後に、南と北の窓の中間に位置するレンジフードを『強』で運転。北側窓からの川風と、サーキュレーターで送り込まれた南側窓からの流入空気がレンジフードに吸い込まれて排気されることで、窓辺のレースカーテンがふくらむくらいに勢いよく風が流れ始めます。
エアコンのような即効性はありませんが、それでもしばらくすれば室温が確実に下がっていくのが体感できますし、23時以降くらいになると川風もかなりひんやりとして天然クーラーのような心地よさです。またこうして昼間たまった熱気を排出し、夜間冷気をとりこんであげておくと、その後エアコンを作動させても短時間かつ小さなエネルギーで冷気が部屋を満たしてくれます。
建築的にいえば『ナイトパージ(夜間外気導入方式)』という手法ですが、夜間の冷たい空気と、一般家電の組み合わせで熱帯夜も案外克服できるものです。
毎年のように夏の暑さは厳しさを増し、彼岸を過ぎても寝苦しい夜が続きそうです。
がんばりすぎて自宅内熱中症になってはいけませんが、夏の三種で暑い夏の夜も涼しく過ごせればと思います。
設計部 大橋