2021年12月27日
寒い季節を快適に過ごすための暖房設備にもいろいろありますが、トピアでは年に1~2件程度、暖炉を備えたお宅をお引き渡ししています。
落ち着きのある鋳物の風合とクラッシックな佇まいを見ていると、インテリアとしても最高だなぁと思いますし、実際に火をおこしてみると、とてもシンプルな仕組みとその温かさには更に驚かされます。
ずっしりとした薔薇窓を開けて、ストーブの奥にある煙道の口を火の付いた古紙でしばし炙ると、煙道内に上昇気流が発生し煙がまきあげられていきます。この気流が弱まらないうちにスターターと呼ばれる細木を燃焼室内に組んで着火。スターターに火が移るのを確認しながら、薔薇窓をわずかに開けた状態にしておくと、勢いを増した上昇気流にのって一気に炎が立ち上がります。
くべる薪を細いものから太いものに替えながら焚きつけていくと、火入れ後20分程度でストーブの表面温度が200℃に達します。後はストーブの上下に設けられた空気口を絞りつつ、スローな燃焼でストーブの表面温度を200℃から300℃に保ちます。
輻射と対流による実際の熱はもちろんですが、揺れる炎や、時折聞こえる薪のはぜる音が目や耳にも炎の温かさを届けてくれます。
そのうえに機械ではない単純な機構(自然の現象とでも言いましょうか…)で、物が燃える最大限の力を生み出しているこの不思議さが何とも言えません。
年の瀬を迎えいよいよ冬本番。今年も大変お世話になりました。
皆さんもあたたかな家で、楽しく、心穏やかに、新しい年をお迎え下さい。
設計部 大橋